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D・W・Wの暗黒ブログ伝説


D・W・Wの館で公開した作品の後書きを主に綴った、暗黒ブログでござる! ツイッター開始しました。アカウント「dwwyakata」です。
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とりあえず、暗黒!エリーのアトリエまとめです。

 暗黒!エリーのアトリエまとめです。
 以降ネタバレを含みますので、閲覧は自己責任でお願いします。


























・そもそも、エリーのアトリエの魅力とは?

 これが、最初でした。
 個人的にはアトリエシリーズで最も完成度が高いと考えているこの作品なのですが、具体的にどこが魅力かと言われると、最終的に思い当たる点がありました。
 歴代シリーズで、唯一。
 主人公が現役の学生なのです。(学生主体のマナケミアシリーズというのもあるが、これはアトリエシリーズとはだいぶ毛色が異なります)

 たとえば初代のマリーも学生と言えば学生なのですが、彼女は留年している状態であり、更に言えば二十歳手前の大人です。他のシリーズの主人公にも十代前半の子は何名かいますが(最年少がおそらくトトリ。 開始時十三歳)、エリーの場合はこの時代最先端の学校ともいえる錬金術アカデミーの学生になるところから物語が開始するところが大きいと、個人的には考えています。
 作中での細かい戦略は、錬金術の描写の差別化やアイゼルの描写強化などなど他にもいろいろあるのですが、地金となる大戦略は、そもそもこれなのです。

・どうして学生か?

 世の中の創作で、どうして子供ばかりが主人公に据えられやすいのか。
 それはみずみずしい感性を持っているという以上に、伸びしろが大きいからです。はっきりいって、完璧主人公なんてものは、作品論で言えば老衰死する寸前の老人と同じです(だから、完璧超人を主人公にして成功する作品は滅多に無い)。若くて、それが故に失敗もして、そして大きく成長もする。
 だから、学生が主人公のエリーのアトリエは、歴代でも最も印象的な作品だったのでは無いか。そう、拙者は考えています。

 学生である事。

 それが、エリーのアトリエの、二次創作を書く上で重要な要素でした。
 この辺りは、暗黒!マリーのアトリエとも意識して差異をつけています。(マリーはむしろ終盤成長限界の壁にぶつかってしまい、それで苦悩した)
拙作のエリーは優秀な錬金術師ですが、しかし創作に対する姿勢が受け身です。基本的に、何かしら外からアクションがあって、作成に取りかかる事があります。
 これが暴力的なまでに我道を貫くマリーとは根本的に違う部分になっています。

 更に言えば、学生であるが故に、卒業時点でのエリーはまだ伸びしろを残しています。
 賢者の石作成や、更に理論面でのパラダイムシフトなども、今後なし得る
可能性が高い。それが、学生であるエリーの強みであるわけです。

・戦闘スタイルについて

 マリーは単体でも非常に高い戦闘力を持つ人物として、拙作暗黒!マリーのアトリエで描写しました。これは彼女がそもそも「大人」であったためです。
 これに対して、エリーは生きている縄を中心とした道具によって戦うことが主体になっています。終盤まで、完全な意味での徒手空拳での戦闘能力は、戦闘経験が無い連中に比べればずば抜けていますが、騎士団の上位層などと比べるとどうしてもかなり見劣りします。
 勿論作品構成上の戦略という事もあるのですが、これは意識してマリーと差別化した部分です。

 そして、エリーの場合は、使う道具にシナリオ上の大きな伏線を含めてあります。

・ホムンクルス

 作品を読んでいて気づいた方もおられるかもしれませんが、序盤、エリーは意図的に過去を隠して、様々な可能性が意図できるようにしています。そして今回の作品では、前作ではあまり主要な部分に絡ませることが出来なかった重要な錬金術の生成物を、シナリオの根幹近くに持ってきました。
 それが、錬金術の究極の一つ、ホムンクルスです。
 エリーとホムンクルスは意図的につながる部分がある存在として描写していますが、それはエリーが自ら意識して生物兵器に近い存在になった事と、ホムンクルス達が人間の都合と欲望で道具にされたことが丁度真逆であり、それが逆の意味での接点になるからです。
 最終戦は、どうしてエリーVS影の鏡の肉弾戦となったのか。
 この辺りは、いろいろと考えた末に描写を進めました。


・総括
 これでもまだいろいろ書き足りなかった部分が残る作品でした。うーん、何もかもを完璧に盛り込むというのは難しいのだなあと、思い知らされるばかりです。
 ただし、学生エリーと、その卒業までを、しっかり書き切れたことだけは、個人的にも満足しています。



・今後
 余談となりますが。
 アトリエシリーズの二次創作を今後書くことは、「あり」ます。多分長編になるでしょう。
 ただし、ザールブルグシリーズでの長編は「ありません」。書ききった感が強いので。番外編の短編であれば、或いは。
 いずれにしても、早くても数年後。ついでに言えば、まだ形がしっかり固まっていないので、まだ何を書くかという話は先になります。(ただ、書こうと思っている作品については、暗黒!エリーのアトリエ終盤にヒントがある、とだけ言っておきます)

 とにかく、総力戦となった今回の作品。
 しっかり最後まで仕上げることが出来たのは、個人的にも価値のある成果でした。
 次の長編も、こうやって最後まで仕上げたいものです。
by dwwyakata | 2011-09-19 19:02 | 暗黒後書伝説! | Trackback | Comments(4)
Commented by 舞華 at 2011-09-21 22:03 x
完結おめでとうございます!
毎回楽しく読ませていただきました。
次回作も楽しみにしています。
お体に気をつけて無理せず面白い作品期待してますね。


アトリエの次回作はにんじんさんですかね?w
Commented by dwwyakata at 2011-09-22 06:35
おはようございます。感想ありがとうございます。

毎度楽しんでいただいたようで、とても嬉しいです。書き上げた甲斐がありました。
アトリエの次の作品については、上にも書いたとおり、早くても数年後です。何になるかは具体的にはいえませんので、それまで気長にお待ちください。
Commented by kurana at 2011-09-25 00:21 x
暗黒!エリーのアトリエ完結ッ!!
このシリーズは書店で見かけたら迷わず買うくらい面白かったです。
次回作が数年後とは焦らし上手な、まだまだD.W.Wを巡回するしかありませんね。次期騎士団長の話やシアの子供の話みたいな短編がくる可能性・・・あるかな?
最後に、夢中になれる作品と出合えたことに感謝を。
Commented by dwwyakata at 2011-09-26 21:54
こんばんは。感想ありがとうございました。

最後までおつきあいいただき、嬉しいです。次回作も、ご期待を裏切らないよう頑張ります。

次のアトリエシリーズの二次創作については、まあ数年後となりますので、しばしお待ちください。それまでいろいろ想像していいただけると、より楽しめるかと思います(笑)。

読了、感謝です。また、書き込みお願いいたします。

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